劇団Ya-taroの赤裸々ブログ
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夢から覚めると、こう呟いた。
「──大丈夫、わたしは、鈴木裕二。」
起きたばかりの鈍痛がこめかみを叩いていた。何かを確認するような機械的な声が、蒲団を転がってゆく。今日は久々の仕事休みで、朝が長い。けれど、いつもの癖で起きる東京の朝7時0分。外はわずかに雪の名残めいて冷気が窓にはりついていた。冷たい雨。しかしわたしは、まるで獣のように、がっ、と蒲団から這い出し、台所で顔をばしゃばしゃと洗う。嗽をする。水を飲む。それから暫く夢の反芻をしていると、白けた朝の光がなぜか疎ましく思えた。「しばらくしたら、稽古がやってくる」そのまま、まだ体温の残る蒲団で携帯電話を弄る。と、すぐに「王子が火事」と識った。稽古場は王子。王子の駅の側が火事。だからどーした。と思った。火事といえば放火魔で、放火魔といえば金閣。三島の「金閣寺」は計算されていて、退屈だけど、破壊衝動は判る。ちまちまとみみっちいのも、好き。でも、読者を信じられないのが裏目ってる。そんならわたしは、訳の分からん方が好いとーと。豊芦原の瑞穂の国のニッポン人よろしく、わたしも果してフツーの人だね。空白が
なければ、生きては行けぬ。あーあ、がっかり。溜息が雨の中に融けてゆく。まだ今日という日が始まったばかりなのに、ヒンズースクワットを一千回したときみたいに足が重い。やったことないけど。
だいたいそんなことを考えて、豚のステーキを食べたのが今日の朝の退屈な日常だ。
ところではじめまして、どこに出してもはづかしい役者、鈴木裕二です。ではさようなら、旅の人。
「──大丈夫、わたしは、鈴木裕二。」
起きたばかりの鈍痛がこめかみを叩いていた。何かを確認するような機械的な声が、蒲団を転がってゆく。今日は久々の仕事休みで、朝が長い。けれど、いつもの癖で起きる東京の朝7時0分。外はわずかに雪の名残めいて冷気が窓にはりついていた。冷たい雨。しかしわたしは、まるで獣のように、がっ、と蒲団から這い出し、台所で顔をばしゃばしゃと洗う。嗽をする。水を飲む。それから暫く夢の反芻をしていると、白けた朝の光がなぜか疎ましく思えた。「しばらくしたら、稽古がやってくる」そのまま、まだ体温の残る蒲団で携帯電話を弄る。と、すぐに「王子が火事」と識った。稽古場は王子。王子の駅の側が火事。だからどーした。と思った。火事といえば放火魔で、放火魔といえば金閣。三島の「金閣寺」は計算されていて、退屈だけど、破壊衝動は判る。ちまちまとみみっちいのも、好き。でも、読者を信じられないのが裏目ってる。そんならわたしは、訳の分からん方が好いとーと。豊芦原の瑞穂の国のニッポン人よろしく、わたしも果してフツーの人だね。空白が
なければ、生きては行けぬ。あーあ、がっかり。溜息が雨の中に融けてゆく。まだ今日という日が始まったばかりなのに、ヒンズースクワットを一千回したときみたいに足が重い。やったことないけど。
だいたいそんなことを考えて、豚のステーキを食べたのが今日の朝の退屈な日常だ。
ところではじめまして、どこに出してもはづかしい役者、鈴木裕二です。ではさようなら、旅の人。
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